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浮世絵版元

 
版元の仕事
 

版元というのは、今で言うところの出版プロデューサーでしょうか。
浮世絵を何点かご紹介していきます。そこに当時の版元と浮世絵師の関係、江戸の反骨精神を垣間見ることができます。


 
歌川 国芳(うたがわ くによし)
 


1843年(天保14)大判錦絵三枚続

源頼光公館土蜘蛛作妖怪図

 大江山の酒呑童子(土蜘蛛)を退治したという源頼光が、土蜘蛛妖怪達になやまされている図。大江山の鬼退治の絵は他にあれど、この絵は謎解き。ふせっている頼光の着物の柄がさや型、つまり十二代将軍徳川家慶ではないか、隣に控える武士の紋所から水野忠邦ではないか、後ろの妖怪のなかのどれが誰だという謎解きが始まり大反響。水野の禁制政策に嫌気がさしていた江戸庶民は、こぞってこの浮世絵を買っていきました。
そして版元は伊場仙の文字。あまりの人々の熱狂ぶりに伊場仙は絵を回収、版木も削ってしまう手早い段取りにより、お咎めは無し。さてさて...
 版元である伊場仙も、国芳の所属していた歌川派も、江戸幕府の御用を承っていたいわば、政府御用達。その権利が剥奪されることもなく、その前もその後も、反骨精神でを持ち幕府の批判も厭わない風刺絵を出版していくのです。

水野忠邦
源頼光
水野忠邦
源頼光

 



1847年(弘化4年)頃

荷宝蔵壁のむだ書き

 天保の改革以来、役者浮世絵には出版差し止め令が出ていました。そこでなんとか出版しようと、絵師や版元は工夫していきます。この絵は「これは浮世絵ではない。落書きだ」というわけです。当時の人には、歌右衛門や幸四郎、梅幸が見て取れるのでしょう。真ん中のネコに至っては、二尾のねこまた。楽しそうに踊っています。こうした遊び心こそ、贅沢に感じられます。

幸四郎
幸四郎

 

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